ある企業さまの新規事業開発のお手伝いをさせて頂いています。
将来に事業を生み続けなければ、現業だけでは縮んでいくという危機感からのお話でした。また、人材育成として、顧客視点で価値を生み出せるような人を育てたいという意向もありました。
半年以上にわたって、新規事業を生むプログラムとして、考え方をお伝えしながら事業案を作るプロセスを設計し、伴走させて頂いています。
私が新規事業の取り組みに関わらせて頂くときに、こだわっていることが2つあります。
ひとつは、経営者自身がしっかりコミットして頂くこと、
もうひとつは、新規事業創出に関わるメンバーは手上げ式で募ることです。
経営者の方のコミット
経営者ご自身のコミットにこだわるのは、新規事業の開発において、経営サイドの役割として「決める」ことが必須だからです。
まずは事業開発にあたっての会社の方針として、事業の範囲や顧客の範囲をどう定めるか。新規事業なら、闇雲になんでもよいというわけではありません。会社のミッションやビジョンに従って、大きな経営方針、事業方針に基づいて考えるほうが、経営としては結果的にうまく行きます。
そして、事業案が固まってきたら、その案を進めていいか、止めるべきかの判断を都度行う必要があります。新規事業はステップを上るように進めます。そして一定の基準を定めて、止める判断も重要になるものです。
さらに、新規事業に関わるメンバーは現業との兼業が避けらないことが多いです。特に人的余裕のない中小企業ではなおさらです。その場合、現業側の圧力により時間が取れない、また、現業側のメンバーから理解を得られないということが多々起こります。その場合に、この会社において新規事業に取り組む意義を通すことができ、社員に理解を求めるのは経営者を置いて他に適役はありません。
手上げ式でメンバーを募る
以前、私は自分が所属する企業内で新規事業をつくる事業開発プログラムを運営していました。当時は初めての取り組みであり、最初はこの人ならという優秀なメンバーを指名しプログラムに参加してもらいました。さすが良いアイデアも出たのですが、そこから進まないのです。メンバーは頭で考えることはできても、肝心なその事業への熱意が足りなかったのです。
事業案は進めてなんぼです。しかも、スムーズに進むことは望めず、あちこちに頭をぶつけながら、悩みながら動き続けることでしか進みません。ここに必要なのは何よりも「やる気」なのです。
やる気があっても、難しいことは多々ありますが、やはりやる気がないと動かない。
ですから、私は社員さんの自主性を尊重し、手上げ式でお願いすることにしています。
先日、ご支援中の企業さまでの事業案プレゼンがありました。経験も経歴も様々なメンバーが熱意をもって語る姿に、経営者の方も上司たちも驚きと喜びを感じて頂いたようです。
事業案がするっとうまく行くことは稀ですから、いきなり完璧な事業案が出ることを望むよりも、事業案を考え、動いた経験を重ねて頂く「人」をつくることが、結局は良い事業を生むことに繋がります。
世の中が変わるにあわせ、お客さまに支持される事業はかならず年月の間に入れ替わっていきます。事業をつくっていくことは、特別なことではなく、企業が存続するために必須。そう思っています。
