ややもすると、「企業」や「ビジネス」という言葉はそれ単体で存在しているように捉えられることがあります。戦略的と言われる議論になればなるほど、そういう傾向があります。戦略論を表層的に捉えるとセオリーで動いたり、企業という人格が合理的な判断をするような錯覚に陥りますが、本当の戦略というのは人間の機微を捉えたものではないかと思うのです。
企業とは、共通の目的をもって人が集まって組織化したものです。一人ひとりの人が集まった集合体です。
その目的とは何なのか、人はなぜそこに集まり働くのか、そういった視点なくして組織は動かすことはできません。
ビジネスについても、商品やサービスを届ける相手(顧客)に向けて行う活動が根幹です。
お客様がどんなニーズを持っているのか、潜在的なニーズも含めて、必要なことはお客様のことを知ること、そしてそのお客様の身になって想像することです。世の中の多くの人のなかで、どんな人のどんなニーズにフォーカスするか。そういう「人」への目線が不可欠です。
BtoCはわかりやすく「人」が相手ですが、BtoBであっても、お客様企業の担当者、上司、組織長・・そういう方々が意思決定を行います。「企業」という人格は法律上のもの。中を開けば人です。
外を向いても人。内側にも人。人の力を合わせて、企業の外の人々へ価値を届ける、それがビジネスの仕組みではないでしょうか。そのために社会のなかに企業は存在しているといえます。
良い商品やサービスを届けるには、組織として、一人一人の力をいかに引き出し、その相乗効果を高めるかがカギになります。だから人が集まっていることに意味があるのです。
企業のトップがどのように企業を方向づけるか。そしてそこに集った人たち(社員)にどのように目的や使命感を共有し、人が持てるパフォーマンスを高めるか。
一人ひとり違う人間が集まって、お互いの関係を築き協働する。簡単なことではないのは明らかです。
そこには真剣に絶え間なく働きかけ続ける取り組みが必要になります。
ビジネスとは人について考えること、人を知ること、人の力を活かすこと、そういったことが根源的に重要だと思います。人に興味がある人は、良いビジネスパーソンになれると思うのです。