ミッション・ビジョン・バリューとは?
ミッション、ビジョン、バリューとは何か。色々な定義がありますが、一番わかりやすいと思う定義で紹介します。経営理念、という言い方でくくられることもあります。
ミッション/Mission
使命。会社の存在意義。
企業という組織は、社会において何らかの役割・機能を帯び、そのために存在しているという考え方が根底にあります。北極星のように動かず、常に確かめながら進むものです。
社員さんにとっては、自分たちの仕事の意義に通じる大切なものです。
最近はパーパスという言葉も広がっています。ミッションより少し高次なものという捉え方で良いと思いますが、あまりこだわらずに使って構わないと思います。
ビジョン/Vision
企業が目指す姿。
具体的に10年後、5年後などと決めて、いつまでに達成する姿であるかを規定します。できるだけはっきりと、客観的にもわかるように描くのが良いとされます。
経営計画や戦略、社員さんの行動の目標となるものです。あの山の頂に登ったら、次の目標を設定する、というように、達成すれば次の目標を定めます。
バリュー/Value
行動指針。企業独自の価値観。行動の判断基準となるもの。
会社の文化として大切にしたい行動指針、ふるまいを明文化したものです。自社の社員であれば、このように考え行動してほしいということを社員に浸透させていくことで、ありたい企業文化を作っていくことができます。近い概念で行動指針を成文化したクレドというものもあります。

企業は利益を得るためだけに動く、社員さんはお給料のためだけに働く、それだけではきっと持続しませんし、社会から必要とされない存在はいつか存在価値を失うものです。
企業がもっと社会やお客さまの役に立ちたいと工夫する、働きがいをもって仕事をするためによりどころとなるのがミッション・ビジョン・バリューです。
社員一人ひとりがミッション・ビジョン・バリューに共感できれば、それが求心力となります。
すでに会社にあるが、形骸化している場合
経営理念やミッション・ビジョン等がすでに定められているという企業さまも多いかと思います。特に数代にわたって続いている企業さまでは、創業者や先代が決めたものがあるというケースも多いです。
それがしっかりと会社の軸になっていれば素晴らしいのですが、額に入れて飾ってあるだけという状態であれば、一度見直してみてはいかがでしょうか。
改めて先代の言葉の意味を想いを込めて遡り、改めて共感できるというものであれば、今の社員にわかるように言葉を磨きなおすのもよいでしょう。今の経営者の方が見直して、どうも違うという気持ちが強ければ見直して改めて今考え直すのもよいと思います。時代の環境に合わせて、業種や業態の変化に合わせて、「信じられるか」ということを一番重要に考えられるとよいと思います。
ミッション・ビジョン・バリューがない場合
中小企業でいちばん多いのは、経営者が求心力になっている状態です。一概にだめというわけではないのですが、企業がこれからも続いていく、成長していくということを目指すのであれば、ミッション・ビジョン・バリューを策定し、経営者もそれに従うというあり方が、長期的に社員さんの気持ちをまとめていくために必要であると思います。
ミッション・ビジョン・バリューを定めるには、経営者としてとことん深く考えて言葉にしていく作業が必要です。社員さんを考えるプロセスに巻き込む方法も有効ですが、何より一番経営自身が心から信じるといえるものを作る必要があります。
ミッションやビジョンを考えるうえでは、自社の強みや目指したい方向性が見えていることが必要です。場合によっては、経営計画策定のプロセスを途中まで行い、外部環境や自社の在り方を見つめなおしてから創るほうが有効な場合もあります。
そして、ポイントは言葉はできるだけシンプルにわかりやすく、伝わりやすく。ミッション・ビジョン・バリューは肚に落ち、共感できるものであるかどうかが重要です。
浸透させるための継続的な工夫・取り組み
ミッション・ビジョン・バリューを策定することは始まりでしかありません。それをいかに社内に浸透させていくかが重要です。
できるだけミッション・ビジョン・バリューに触れる機会を多くし、一人一人が自分自身に紐づけて考える機会をつくります。また、チームや組織の行動の目標となり判断軸となるように社内の仕組みを見直し、それを継続していきましょう。働きかけを続けることで、ゆっくりですが、確実に組織は変わることができます。色々な企業さまで面白い工夫や取り組みがあります。自社らしい仕組みや取り組みを考えてみましょう。
ミッション・ビジョン・バリュー策定のお手伝い
その企業さまにとって本当に軸とするべき大切なことは何か、歴史を見直し、未来を見据えながら、経営者の方の壁打ちを行うご支援を行います。
また、コミュニケーションのプロとしての経験を活かし、また様々な企業さまのお取組み事例も参考に、ミッション・ビジョン・バリューをまとめ、社員さんへ浸透していく過程をその企業さまの状況に応じて一緒にデザインさせていただきます。