しばらく更新できずにいました。
半年ほどまえに、実家の熊本についてコラムを書きましたが、今回の熊本地震でまさに震度7が実家を襲いました。突如奪われた日常への対応と、その合間にお仕事を滞りなく果たすことを優先する形でそれから過ごしてきました。
今はなんとか落ち着いて私個人は普段に近い状態に戻ったところです。まだ一つずつしか進めないこともあり、しばらく通いながらの長期戦だと腰を据えました。
個人的な話ではなく、今回はこれを機会にBCPの話について、ちょうど、先日ある勉強会で学んだことをシェアさせて頂きます。
内閣府に出向時に東日本大震災を経験され、そこから防災や危機管理研究の道に進まれた弁護士の方のお話でした。本当に大事なことだと思ったので、一人でも多くの方に知って頂きたいと思っています。
BCPとBCM
BCPという言葉はだいぶ一般的になってきたと思います。Business Continuity Plan、事業継続計画のことです。
災害時に重要業務の中断を避ける、または重要な機能を復旧させ、事業への影響をできるだけ最小化するための経営の計画です。さらに、単に計画をつくるだけでなくマネジメントする、ということを強調するBCM(Business Continuity Management)という言葉もあるそうです。
ポイントは、災害時に起きるインパクトをいかに減らし、早めに回復するかについてあらかじめ考えておくことであり、災害の影響で企業が事業継続できなくなること(倒産や廃業に陥ること)を回避するための準備です。
危機対応について
まずは初動では、普段から災害時のマニュアルの周知や日頃の訓練を行うことで、いざその時に、準備していた行動をとれることが重視されます。
加えて、さらに大切なことは判断する人がいない場合の「責任権限の代行順位をあらかじめ決めておくこと」です。
緊急時には「判断」が求められます。
実は災害時にトップが不在であること、または災害で動けない・連絡がつかない状態であることが一番のリスクになるそうです。
トップがいない場合、誰が決めるのかを決めておく、そして初動の判断を早くする。
まずはこの点について今準備頂くことが良いと思います。
事業継続のポイント
次に復旧フェーズで必要なことは4つ。
①資金の確保 ②支払の抑制 ③社員の雇用維持 ④情報発信 とのこと。
資金については日ごろの資金余裕も欲しいところですが、災害時には様々な支援策があります。そこにアクセスし使えるものは使う姿勢が必要です。
支払の抑制は分かりますね。取引先にこの際お願いすることもできるでしょう。
とにかく資金繰りをなんとかする、ということです。大切なことですが、これは対応として想像もつきます。
今回の被災体験も踏まえて、なるほど、と思ったのは残りの2つです。
社員の雇用維持について。
社員も被災者です。家に居住できない、家族に何かが起きたなど生活に大きなダメージを負っている可能性があります。そこで、仕事なんか続けていられない、と辞めてしまうことが多々あるそうです。収入を得られなくなりますが、そうも言っていられないほど、目の前が大変になる。
だから社員を守り、生活の再建を支援し、柔軟な形で対応しなんとか雇用を繋ぐこと。
今回身をもって分かりましたが、被災地には、国や自治体から多くの被災者への生活再建への支援メニューが提供されます。ですが、そういう情報に正しくアクセスできない人も多い。
経営者がしっかりと情報を把握して伝えるだけでも、一つの支援になります。
情報発信について。
今はSNS等で被災の状況や再建へ向けたメッセージ等を発信する企業もあります。ただ、すべての企業が出来るかというと難しい。
SNSでなくてもいいので、お客さんや取引先へ状況を伝え、頑張るという意志を伝え、関係性を繋ぎ続け、応援してほしいというメッセージを積極的に届けることが大事。お客さんと取引先との関係性を繋ぎ続ける。本当にそうだと思いました。
実際に被災地で実感したことですが、発信を控えたくなる心理も存在するのです。皆が大変だから、と思うあまり、アピールするのはやめよう、我慢しよう、耐えようという心理が働きます。
そうではなく、しっかりと自社についての情報発信を行う。これが社員の生活も事業も守ることに繋がるということです。
今回痛感したのは、「その時」は前触れもなく、日常のなかで本当にある日突然やってくるということ。
地震だけでなく豪雨等あちこちで日本の災害は増える一方です。
正常性バイアスに呑まれないよう、経営として、備えて、知っておいていただきたいことだと思います。
